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【コートジボワール共和国】経済都市が抱える問題を、交差点の立体化で解決

アビジャン市はコートジボワール最大の都市であり、経済や文化の面で西アフリカ全体に大きな影響力を持っています。しかし、高層ビルが立ち並ぶ都市として発展を続ける一方、都市交通インフラの整備は遅れており、経済成長の阻害要因になっていました。なかでも、周辺に工場や大型ショッピングセンターなどが多く立ち並ぶ、二つの主要幹線道路の交差点は、市内で最も渋滞の激しい交通ボトルネックとして問題視されています。2014年にコートジボワールを訪れた故安倍元首相は同国のワタラ大統領へ、本交差点の交通改善に向けた技術協力を約束。その後、JICAとコートジボワール政府間で無償資金協力の贈与契約が結ばれ、オリエンタルコンサルタンツグローバル(以下:OCG)が調査・設計および施工管理を担当しました。

市内交通を円滑化するため、第一期工事では二本の高架橋を建設し、続く第二期工事ではその上に第三の高架橋を渡すことで交差点を立体化。建設用地の取得に伴う住民移転に考慮し、新たな用地取得は一切行わず、現状の道路用地内での立体化を実現しています。そのため第一期工事では、本線の合流部を含め一切目地を設けない連続構造を採用し、スレンダーなデザインに仕上げています。各期の開通式には同国の大統領と副大統領も参加、華々しくテープカットが行われました。日本の技術支援と亡き安倍元首相の功績への感謝の意を込め、本交差点はワタラ大統領により「日本コートジボワール友好・Shinzo Abe交差点」と名付けられています。