プロジェクト
途上国では、生計を立てるための不適切な焼畑農業や違法伐採などが後を絶たず、森林減少の原因になっています。そのため、森林資源の持続的な活用を図りつつ、地域住民の生計も確保するような取り組みが各国で進められています。しかし、技術や知見などが十分でないことも多く、その国のみで取り組みを発展させるのは容易ではありません。一方、古くから森と共生する文化を持つ日本には、そうしたナレッジが蓄積されています。㈱オリエンタルコンサルタンツグローバルは、途上国における持続可能な森林経営の推進に向けて、日本の技術を活用したさまざまな事業を実施しています。
ペルーのアマゾン地域原産の植物「サチャインチ」は、収穫できるまでに必要な栽培期間が短いため、短期間で収入につなげることができ、また、長期保存が可能です。このサチャインチの実は、良質な脂質とたんぱく質を含み、この実のナッツを使ったオイルが健康食品として世界から注目を集めており、深刻な貧困問題を抱える同地域の重要な資源となっています。しかし、オイルの副産物である「絞り粕(おから)」は一部では流通されていたものの十分に利用されておらず、認知度は依然として低いままでした。そこで、日本の粉末加工技術を活用し、サチャインチおからの粒子を細かくすることで食感を改善し、また、味噌などの伝統調味料を用い、日本人の味覚に合った商品の開発を進めています。サチャインチおからの付加価値を向上させ、日本の消費者向けの普及を拡大し、地域住民の生計向上に貢献することで、違法伐採などを防ぎ、森林の保全と適切な活用を促します。